2022年9月、ヨーロッパを鉄道で巡る旅の途中、イタリア北部、アドリア海に浮かぶ水の都・ベネチアに訪れた。
街並みが水面に映る光景はとても神秘的で、街そのものがひとつの神殿であるかのように錯覚させられる。縦横無尽に張り巡らされた運河を小さな舟が徘徊する光景はここでしか見られない。ベネチアに住む人の足は、バスでも鉄道でもなく、船だ。近年は高波による浸水被害に悩まされることもしばしば。





2022年9月、ヨーロッパを鉄道で巡る旅の途中、イタリア北部、アドリア海に浮かぶ水の都・ベネチアに訪れた。
街並みが水面に映る光景はとても神秘的で、街そのものがひとつの神殿であるかのように錯覚させられる。縦横無尽に張り巡らされた運河を小さな舟が徘徊する光景はここでしか見られない。ベネチアに住む人の足は、バスでも鉄道でもなく、船だ。近年は高波による浸水被害に悩まされることもしばしば。





2022年9月、筆者はヨーロッパを鉄道で巡る旅に出ていた。途中スイスを訪れた際、ピラトゥス登山鉄道に乗車した。133年の歴史を持つこの鉄道は、世界最急勾配の鉄道という称号をもち、その最大傾斜角は48%(480パーミル)にもなる。日本の鉄道における最急勾配は、大井川鐵道の90パーミルであることからも、この鉄道の凄さが分かる。
この鉄道の起点は、ルツェルンから普通列車で20分ほど西に進んだところにあるアルプナッハシュタット駅。急行列車は停車しない、静かで落ち着いた駅だ。



列車は、麓の駅をゆっくり出発すると、モーターの唸りが聞こえる。見た目はケーブルカーっぽいが、あくまで「電車」であり、ケーブルカーではない。車両は搭載されたモーターにより駆動する。左右のレールの間にはラックレールがあり、2つの歯車を組み合わせた特殊な形状をしている。この方式は「ロッハー式」と呼ばれる非常に珍しい方式だ。列車はゆっくりと、着実に標高を上げていく。緑生い茂る森林を抜け、森林限界を過ぎると、車窓は雪景色に変わる。列車と周りの景色を遮る木々がないため、山肌とそれを覆う雪はとてつもない迫力で、自分がすごく小さな存在に感じて不思議な感じだ。頂上には、レストランや展望台があるが、その日は曇っていた。頂上へはロープウェイでも訪れることができる。




世界一の急勾配鉄道でゆくピラトゥス山は133年、そしてこれからも人々の心を魅了してゆく。
2022年9月、筆者はヨーロッパを鉄道で巡る旅に出ていた。途中スイスを訪れた際、ブリエンツ・ロートホルン鉄道(BRB)に乗車した。この鉄道は、130年の歴史をもち、ロートホルンを約1時間かけてゆっくり蒸気機関車で登ってゆく登山鉄道だ。蒸気機関車が走る区間における世界最急勾配でもあり、世界中から鉄道ファンが訪れる。
この鉄道の起点はブリエンツ駅。ゴールデンパスラインの中間地点で、ブリエンツ湖畔の美しい街だ。ルツェルンとインターラーケンを結ぶ急行列車に乗車すると簡単にアクセスできる。インターラーケンからは船でもアクセスできるので、ブリエンツ湖を優雅にクルージングしながら訪れることもできる。


列車は、蒸気のドラフト音を唸らせ、麓のブリエンツ駅をゆっくりと出発する。この鉄道は、概ね1時間に1本運行されており、急行列車との乗り継ぎも良い。しばらくは森の中を縫うように走るが、しばらくすると開けた部分に出ると、ブリエンツ湖の絶景が目に入る。その瞬間、多くの乗客がシャッターを切る。湖の対岸の山々の雪化粧も美しい。

30分ほど景色に見惚れていると、列車は山の中腹の中間駅に到着する。列車は30分ほど停車したのち折り返す。筆者が訪れた日は、天候の影響で頂上駅までは行けなかったようだ。だが、中間駅で車掌さんと話す機会があり、色々なことを教えてくれた。筆者が日本から来たことを伝えると、静岡の大井川鐵道とブリエンツロートホルン鉄道は姉妹提携を結んでおり、それらの走る金谷町とブリエンツも姉妹都市であることを教えてくれた。また、乗車してきた機関車がいつ製造されたのか尋ねたところ、乗車した機関車は1996年に新造されたものだが、この鉄道では100年以上走っている機関車もあるのだと説明してくれた。歴史と景観を苦労して守っていることがよく分かる。






ブリエンツ湖とアルプスの美しい景色を130年の歴史ある蒸気機関車列車でめぐる旅はまさに非日常と文明の偉大さを感じさせてくれる貴重な体験だった。