トレニタリアでアルプスから水の都へ ティラノ→ミラノ→ベネチア (イタリア🇮🇹)

2022年9月末、ヨーロッパを鉄道でめぐる旅に出ていた。レーティッシュ鉄道でスイスからイタリアのティラノに渡った筆者は、1泊したのち、ベネチアに向かった。

列車に乗る前に、ティラノ駅の売店でピザとサンドイッチを購入。やはりイタリアといえばピザだ。ティラノ駅を出発したRE2825列車は、豊かな自然の中をゆっくり走りだす。コリコを過ぎると、コモ湖に沿って南下し、ミラノに向かう。コリコまでは、バスで行くこともできる。しばらくすると、大きな街並みが見えてきた。間も無く、ミラノ中央駅に到着。

ミラノ駅で、イタリア国鉄の高速列車「フレッチャルジェント」に乗り替える。ミラノ中央駅は円筒状の大きな屋根を持つ美しく巨大なターミナル駅だ。私の乗る列車は、かっこいい鮮やかな赤い色をした、イタリアらしい列車だ。車体には「フレッチャロッサ」と書いてある。トレニタリアの看板的な車両のような雰囲気を漂わせる。列車は、ミラノを出発してしばらくすると、速度を上げ、新幹線のような高速でイタリアを爽快に駆けて行く。イタリア本土からベネチアに渡る橋からのアドリア海は、この列車の見どころのひとつだ。快適な旅はあっという間。ベネチア・サンタルチア駅に到着。

イタリア本土とベネチアをつなぐ橋をわたる。小さな島々が複雑に織りなすアドリア海の絶景はこの列車最後の見どころ

国際夜行列車ナイトジェットの旅 ベネチア→ウィーン (イタリア🇮🇹→オーストリア🇦🇹)

2022年9月、ヨーロッパを鉄道で巡るたびに出ていた最中、ベネチアからウィーンへの移動手段として夜行列車ナイトジェットを利用した。これはそのときの記録だ。

オーストリア連邦鉄道OBBが運営するナイトジェットは、ベネチアーウィーン間だけでなく、ミラノ、ローマ、フィレンツェ、チューリヒ、フランクフルト、ベルリンなど、オーストリアを中心に近隣国の大都市を多くカバーしている。何と言ってもそのメリットは、移動と宿泊を兼ねる点だ。列車に乗り込み出発、寝て起きたら目的地に到着する。時間を効率的に使えるため、少ない時間でたくさんの都市を巡りたい筆者のような旅行者には特に嬉しい。

筆者が利用したのはVenezia S.Lucia(ベネチア・サンタルチア)21:49発ーWien HBF(ウィーン中央)7:58着のナイトジェット。列車は、ベネチア・サンタルチア駅を定刻に出発。筆者は、1番値段の安い2等座席(6人用個室)を使用したが、顔立ちが綺麗な親子3人と同室だった。聞けば、ウクライナ出身だという。座席を倒してフルフラットに出来ることなど、色々親切に教えてくれた。自分は日本から来たと言い、折り鶴を折ってみせると、オリガミだ!と喜んでくれた。こういう異文化間の交流もまた、旅の醍醐味だ。

しばらくすると車掌さんが検札に来た。筆者は、連邦鉄道OBBの公式サイトで列車予約し、メールで受信したeチケットを印刷したものを見せたら問題なかった。イタリアに限らずヨーロッパの列車では検札の際にスマホの画面を見せてる乗客が多かったし、発行されたeチケットにも2次元コードがしっかり載っていたので、実際は印刷までしてこなくても問題なかったかもしれない。しかし、万が一スマホを失くしたり、使えなかったときのために、eチケットは印刷しておくのがベターだろう。ひとり旅では、あらゆるトラブルに備えるのが鉄則だ。

オーストリア連邦鉄道から送られてきたeチケット。メールのURLからPDF形式でダウンロードできる。オーストリアの公用語はドイツ語だが、公式予約サイトでは英語にも対応している。日本語には対応していないが、シンプルで見やすいので問題なく利用できた。列車・等級・座席タイプなどを選択し、名前・メールアドレス・クレジット情報などを入力するだけなので難しいことはない。料金は49ユーロで、日本円で約7000円くらいだ。安い。国家間を夜行で移動してこれは安過ぎる。

列車はアドリア海にかけられた橋を渡ると、イタリア本土を北に進む。驚いたのは、振動が本当に小さい。機関車が客車を牽引する「客車列車」だと、ここまで静かなのだと、本当に驚く。現在の日本の旅客列車は、一般的な電車のような「動力分散方式(編成の多くの車両が駆動する方式)」の列車がほとんどで、それらは客室のすぐ下でモーターが唸るため、振動や騒音を抑えるのに限界がある。しかし、客車列車は、動力を牽引する機関車に集中させているので、客室は静かに保たれる。お陰様で、ぐっすり寝ることができ、疲れもしっかりとれた。快適すぎて早くにぐっすり寝てしまった。

夜が明け、明るくなった頃、外を見るとザルツブルク中央駅で停車していた。ウィーンまではまだ2時間ほどあるので、ゆっくりオーストリアの景色を楽しむことにした。しばらくして、リンツ駅に到着すると、ウクライナの家族はさよなら!と元気な挨拶を交わし下車していった。そうして、間も無く列車は終点・ウィーン中央駅に到着。疲れも取れ、楽しく快適な旅はあっという間だった。最近、ヨーロッパでは夜行列車の利便性が再認識され、路線網を拡大しようという動きもある。今後もヨーロッパ旅行の際はナイトジェットをぜひ利用したい。

水の都・ベネチア(イタリア🇮🇹)

2022年9月、ヨーロッパを鉄道で巡る旅の途中、イタリア北部、アドリア海に浮かぶ水の都・ベネチアに訪れた。

街並みが水面に映る光景はとても神秘的で、街そのものがひとつの神殿であるかのように錯覚させられる。縦横無尽に張り巡らされた運河を小さな舟が徘徊する光景はここでしか見られない。ベネチアに住む人の足は、バスでも鉄道でもなく、船だ。近年は高波による浸水被害に悩まされることもしばしば。