ウィーンとハプスブルク家 (オーストリア🇦🇹)

オーストリアの首都・ウィーンは、ハプスブルク家ゆかりの地であり、それに関連した観光名所が数多くある。

ハプスブルク家は、スイス北東部からドイツ西南部を支配していた小貴族だったが、ルドルフ1世が神聖ローマ帝国に選出されたことを皮切りに、その影響力は大きくなっていった。ハプスブルク家は、戦争ではなく結婚政策で王家を発展させていったと言われるが、女帝マリア・テレジアの娘マリー・アントワネットがフランス国王ルイ16世と結婚したこともそのひとつだ。のちにイタリア戦争に敗れたことから徐々に衰退が始まり、オーストリア=ハンガリー帝国が形成されると、第1次世界大戦に突入、1918年に破れるまでの650年間、中央ヨーロッパで栄華を誇った。

ウィーンには、650年の長きに渡り栄華を誇ったハプスブルク家ゆかりの史跡が多く残されている。筆者も実際に足を運んでみたが、ウィーンの発展は、ハプスブルク家とともにあったのだと振り返る。

世界遺産のシェーンブルン宮殿。女帝マリア・テレジアの命で大改築され現在の姿になった。マリーアントワネットは15歳で、フランスに嫁ぐまでここで育った。
ミヒャエル広場側から見たハプスブルク家の王宮。増改築が繰り返され、600年以上王家の住居とされてきた。内部にも見どころはたくさん。
ヨーゼフ広場と国立図書館。中央にヨーゼフ2世の騎馬像が立つ。

今回、市内観光では、主に地下鉄を利用して巡った。市内の交通機関が24時間乗り放題になるチケットを購入し、名所での入場料などは都度支払っていたが、「ウィーンシティカード」や「ウィーンパス」など、便利なチケットやパスが多く設定されている。目的に合わせて活用すると便利だ。注意点として、打刻が必要なチケットは、打刻を忘れずに。おすすめは、「シシィチケット」で、王宮、皇帝の部屋、シシィ博物館、シェーンブルン宮殿などのハプスブルク家関連の観光地の多くに入場できる。34ユーロとお手軽なので、簡単に元は取れそうだ。特筆すべき点は、シェーンブルン宮殿ではシシィチケットを持っているとファストレーン(待ち時間なし)が利用できる点だ。筆者が訪れたときも2時間待ちとなっていたことを考えると、これは大きなメリットだ。また訪れる機会があれば、ぜひ利用したい。

参考:地球の歩き方・ウィーンとオーストリア

国際夜行列車ナイトジェットの旅 ベネチア→ウィーン (イタリア🇮🇹→オーストリア🇦🇹)

2022年9月、ヨーロッパを鉄道で巡るたびに出ていた最中、ベネチアからウィーンへの移動手段として夜行列車ナイトジェットを利用した。これはそのときの記録だ。

オーストリア連邦鉄道OBBが運営するナイトジェットは、ベネチアーウィーン間だけでなく、ミラノ、ローマ、フィレンツェ、チューリヒ、フランクフルト、ベルリンなど、オーストリアを中心に近隣国の大都市を多くカバーしている。何と言ってもそのメリットは、移動と宿泊を兼ねる点だ。列車に乗り込み出発、寝て起きたら目的地に到着する。時間を効率的に使えるため、少ない時間でたくさんの都市を巡りたい筆者のような旅行者には特に嬉しい。

筆者が利用したのはVenezia S.Lucia(ベネチア・サンタルチア)21:49発ーWien HBF(ウィーン中央)7:58着のナイトジェット。列車は、ベネチア・サンタルチア駅を定刻に出発。筆者は、1番値段の安い2等座席(6人用個室)を使用したが、顔立ちが綺麗な親子3人と同室だった。聞けば、ウクライナ出身だという。座席を倒してフルフラットに出来ることなど、色々親切に教えてくれた。自分は日本から来たと言い、折り鶴を折ってみせると、オリガミだ!と喜んでくれた。こういう異文化間の交流もまた、旅の醍醐味だ。

しばらくすると車掌さんが検札に来た。筆者は、連邦鉄道OBBの公式サイトで列車予約し、メールで受信したeチケットを印刷したものを見せたら問題なかった。イタリアに限らずヨーロッパの列車では検札の際にスマホの画面を見せてる乗客が多かったし、発行されたeチケットにも2次元コードがしっかり載っていたので、実際は印刷までしてこなくても問題なかったかもしれない。しかし、万が一スマホを失くしたり、使えなかったときのために、eチケットは印刷しておくのがベターだろう。ひとり旅では、あらゆるトラブルに備えるのが鉄則だ。

オーストリア連邦鉄道から送られてきたeチケット。メールのURLからPDF形式でダウンロードできる。オーストリアの公用語はドイツ語だが、公式予約サイトでは英語にも対応している。日本語には対応していないが、シンプルで見やすいので問題なく利用できた。列車・等級・座席タイプなどを選択し、名前・メールアドレス・クレジット情報などを入力するだけなので難しいことはない。料金は49ユーロで、日本円で約7000円くらいだ。安い。国家間を夜行で移動してこれは安過ぎる。

列車はアドリア海にかけられた橋を渡ると、イタリア本土を北に進む。驚いたのは、振動が本当に小さい。機関車が客車を牽引する「客車列車」だと、ここまで静かなのだと、本当に驚く。現在の日本の旅客列車は、一般的な電車のような「動力分散方式(編成の多くの車両が駆動する方式)」の列車がほとんどで、それらは客室のすぐ下でモーターが唸るため、振動や騒音を抑えるのに限界がある。しかし、客車列車は、動力を牽引する機関車に集中させているので、客室は静かに保たれる。お陰様で、ぐっすり寝ることができ、疲れもしっかりとれた。快適すぎて早くにぐっすり寝てしまった。

夜が明け、明るくなった頃、外を見るとザルツブルク中央駅で停車していた。ウィーンまではまだ2時間ほどあるので、ゆっくりオーストリアの景色を楽しむことにした。しばらくして、リンツ駅に到着すると、ウクライナの家族はさよなら!と元気な挨拶を交わし下車していった。そうして、間も無く列車は終点・ウィーン中央駅に到着。疲れも取れ、楽しく快適な旅はあっという間だった。最近、ヨーロッパでは夜行列車の利便性が再認識され、路線網を拡大しようという動きもある。今後もヨーロッパ旅行の際はナイトジェットをぜひ利用したい。